鎌倉なんみん共生フォーラム2022を開催しました

 鎌倉で活動する市民グループなどが集まり、地域で難民をどのように受け入れていくかを検討する「鎌倉なんみん共生フォーラム」が11月18日、一年ぶりに開催されました。

 第1部の学習会では、明治学院大学国際学部の阿部浩己教授をお招きし、インドシナ難民からウクライナ避難民まで、日本の難民受け入れ40年の歴史を振り返りました。阿部先生は「私たちはいつの間にか国という枠組みをすりこまれている」と指摘されました。だからそのなかでのルールである法律などについて疑問を持つこともないし、日本人、外国人と線を引いてしまうこともたくさんあるのです。でも大切なことは目の前にいる人を人として受け入れ、当たり前に大切にしあうこと。どこかの国が大変な時はみんなでその負担を分け合う、そうすることで本当の国際「協力」ができると気づかせてくださいました。

 第2部では、参加した鎌倉市議会議員、市民団体、福祉施設関係者、ボランティアなどの間で、具体的な関わりを通して地域でできること、特に仮放免の方々に向けた取り組みについて熱心な意見交換が行われました。「国内最大規模の難民シェルターに、これだけたくさんの人々が関わっていることを活かしていきたい」「鎌倉市が条例によって仮放免者に対する独自のルールを作るなど『鎌倉モデル』ができるかもしれない」という意見がだされました。

 今後、様々な分野横断的な「プラットフォーム」を創設し、定期的な会合と具体的な取り組みを通して、地域における難民受け入れと支援のしくみを作っていくことに決まりました。難民条約で保障されている難民の人権を守るための取り組みが、いま鎌倉から始まっています。