WAM助成 報告書を発行しました

2021年度独立行政法人福祉医療機構のWAM助成(社会福祉振興助成事業)のご支援をいただきました。「難民のエンパワーメントと社会参画を通した回復から自立までの支援事業」の事業報告書を作成、発行いたしました。

難民のエンパワーメントと
社会参画を通した回復から自立までの支援事業
一年間の活動を終えて


 わたしたちは、難民の居場所づくりや回復を目指し様々な計画と希望を持って本事業を開始しました。
 しかし、実際に活動を行なってみて、計画通りに進まないことを痛感しました。入居者はそれぞれ、母国で大変な経験をし、日本に来た後でも孤立や経済的困窮、入管施設での収容などを経て当シェルターに来ています。これまで受けた傷は、わたしたちが想像していたより遥かに深く複雑なもので、簡単には「回復」できないことに気づかされました。
 また、活動に参加することが入居者にとっては簡単ではないこともわかりました。仮放免中の入居者にとっては、ほんの数ヶ月先のことをイメージすることさえ苦しく困難なことでした。そのためコミュニティとして計画を立ててイベントを実行したり、在留資格取得後の生活を想像して将来に向けて準備をしたりすることは大変なことでした。
 このように、計画が思うように実行できない日々の中で、「回復」とは何を指すのか、「自立」とはどのような状態なのかなど、当初目標として掲げていたものを再考せざるを得なくなりました。
 一方で、入居者同士が「アルペのみんなは家族」と言って笑い合う姿を見たり、地域の人たちとの関わりを通して「人に会うことが楽しみだ」「自分も何か人の役に立てることがあって嬉しい」といった感想を聞いたりすることもありました。少しずつ心を開く入居者と過ごす中で、人との関わりや地域での居場所が大切だということに改めて気づきました。
 これらのことは、従来の通い型の支援や住居の提供のみの支援では見えなかったもので、共同生活という形をとったからこそ見えた成果だと考えています。
 また、地域と積極的に関わりを持ったことで、地域住民の変化にも気がつくことができました。最初は難民に怖いイメージを持っていたり、自分とは関係ない遠い世界の人だと思っていたりしていた人たちも、入居者と出会うことで、難民をとりまく現状に関心を持つようになってきました。「友達になりたい」、「なんとかしたい」と言った声もたくさん聞かれるようになりました。これらの変化は、鎌倉市議会から国への難民政策の見直しを求める意見書提出や鎌倉なんみん共生フォーラムに向けた取り組みなどにつながりました。
 わたしたちは、この一年間を通して「人との関わり」「居場所」が難民の 「回復」につながることを学びました。同時に、地域において難民を迎え入れるきざしを感じることができました。難民を受け入れることができる社会を目指し、これからも活動を継続していきます。
 本事業の実施にあたり、ご支援、ご協力いただきました多くのみなさまに心より感謝申し上げます。

2022年(令和4年)3月31日
NPO法人アルペなんみんセンター
スタッフ一同

PDFファイル(3.3MB)はこちら

















この記事を書いた人