全く違う文化を持ち、違う環境で生きてきて、年齢も性格も全く違う人たちが一緒に暮らす、それがアルペの生活です。
増して、難民のみんなは抱えているものも多く、一口に難民と言ってもその背景は様々です。
アジアとアフリカ、文化圏の違いでグループ化して対立することもあるし、
一緒のものを食べるのに食事の好みが合わなくて喧嘩になったり、
子供の教育の仕方で言い争ったり、
アルペ全体のルールで毎回揉め事に発展したり、、、
日々揉め事は絶えず、言い争いや不満の声が上がったり、
言葉が苦手で言い争うこともできずに一人で爆発していたり、、、
そんなアルペですが、
いつもみんなが
「アルペのみんな、かぞく」
と言っています。
喧嘩も、言い争いも、無視し合うこともあるけれど、
それは気がついたらすぐに終わって、
「みんなかぞく」
と言いながら笑い合っています。
言葉も不自由で、なかなか言いたいことが伝え合えないのに、なぜかみんなで爆笑していたり、冷やかしあい、いじり合いで盛り上がっていたり、、、
「アルペのみんな、かぞく」
それは本当の家族と同じように、
たとえ嫌なことがあっても、認め合い、許し合い、支え合って暮らす、そんなアルペのみんなの合言葉なのです。
ある日、こんな話を聞きました。
「アルペのみんなはいつも、家族、家族っていうでしょ、
本当の家族じゃないけどさ、
本当の家族みたいに、大事なんだよ
たった一つの居場所だからね。」
アルペで暮らすみんなは、母国から逃げてきて、日本でも、入管で辛い思いをしたり、住んでいた場所を追い出されたり、そんな過去を持っています。
本当の家族ではない、知らない人同士だけれど、でも、アルペはやっと見つけた、かけがえのない居場所なのだと思います。
「ここを出て行ったら他に行くとこないからね、喧嘩してる場合じゃないのよ」
冗談まじりにそう言って笑ったその言葉には、
「アルペのみんな、かぞく」
その口癖の裏には、
みんなが背負う色々な事情と、アルペで見つけたやさしい居場所のあたたかさが混ざり合う、複雑な色が見えました。
でも…
「アルペのかぞく、おもしろい!!」
色々な事情を吹き飛ばすような大きな笑い声が、今日もアルペに響いています(^^)